堀川を清流に
  堀川1000人調査隊2010

         活動の記録


   堀川の水質改善のための、合流式下水道の改善について、
   名古屋市上下水道局から資料をいただきましたのでご紹介します。

    これは9月8日の第1回調査隊会議で説明されたものです。

    
       
⇒第1回調査隊会議の様子はこちら


 平成19年9月8日(土)に開催された第1回調査隊会議では、雨天時の堀川の変化が
大きな話題になり、名古屋市からも堀川の水質改善のための、合流式下水道の改善について
計画・実施しているさまざまな施策の説明がありました。

 当日の会議に出席できなかった方も多いと思いますので、名古屋市から資料をいただきました。

 市民調査隊事務局として皆様にご説明をさせていただきます。


  毎日新聞に掲載された関連記事はこちら 2007年9月23日(日) 朝刊より


1. 堀川流域は、比較的早くから下水道が整備されました。
  合流式下水道は道路に埋設する管がひとつですむため、経済的にもメリットが
  あったことから、堀川流域の下水道はほぼ合流式の下水道区域となっています。


2.分流式と合流式の大きな違いは、道路や家庭などに降った雨水の流し方の違いです。

   分流式は、道路や家庭の屋根に降った雨を、雨水だけ集めて雨水管を通じて川に直接放流します。
   特に大量の雨が降った場合など、下水処理場に雨水が流れ込まないため、施設に負担をかけないという
   メリットがあります。

    反面、道路などのゴミ(タバコの吸殻やお菓子の袋など)や泥などを雨水が拾うと、そのまま処理されずに
   川に流れ込んでしまうというデメリットもあります。
    下水道が比較的新しく整備された名古屋市東部などは、ほとんどがこの分流式になっています。
    
   
   一方、合流式は、道路や家庭などに降った雨も、下水処理場できれいに処理してから川に放流するので
   川がよごれない、という大きなメリットがあります。

   しかしながらその反面、雨が激しく降った場合などは、道路に埋設された下水管が満タンになってしまい
  マンホールなどからあふれて道路に冠水したりする危険があります。
   そのため一定の水量を超えると、「雨水吐(うすいばき)」と呼ばれる穴から、あふれた雨水や汚水が川に
  直接放流されます。

   上や下の図からもわかりますが、こうした汚水には当然家庭などから排出された生活排水(トイレ、台所、
  お風呂、洗濯などの排水)も混じっており、その一部は下水処理場まで到達する前に川に落ちてしまう
  可能性があります。

   つまり合流式下水道は、堀川などの水質改善という観点から見ると雨天時に弱いというデメリットを
  もっているのです。

   堀川でも、この雨水吐が48箇所あって、激しい雨が降ると、治水上の理由から堀川にこうしたよごれた水が
  放流されています。

   特に、最近は道路や民有地の舗装が進み、宅地化によって緑も減少していることから、空から降った雨が
  地下に浸透したり、植物の根に吸い上げられて保水されることが妨げられ、下水を通して河川に流れ込む雨の
  量が急増しています。

    名古屋市近辺でも40年前と比較すると、雨水が河川に流出する割合は1.5倍ほどになっているという
   調査報告などもあるようです。

    その分、都心での水の氾濫のリスクも高まっているため、市民の生活の安全を守るため、「治水」というのは
   非常に重要視されており、合流式下水道地域では水質環境保全と、治水のバランスをとりながら河川管理が
   なされているとのことなのです。

        ご参考 ⇒雨天時の堀川上流の様子についての調査隊事務局報告



3.こうした合流式下水道の弱点を克服するため、名古屋市では道路などに降った雨水をいったん大きなプールに
  貯留し、雨がやんでから下水処理場にポンプで送り込む、という施策を計画・実施しているそうです。

  こうした施策を積み重ねてゆくことによって、堀川などの河川に、雨が降ってもよごれた水が流れ込むことは
  次第に少なくなってゆき、むしろ雨水も下水処理場できれいにしてから堀川に放流されるようになり、水質の
  大幅な改善も期待できそうです。





4.名古屋市のこうした施策により、堀川の水質浄化に大きな期待がもたれることは確かですが、
  一方でこれらの整備には大きなお金と時間がかかることも事実です。

  名古屋市では今後20年後の目標を立てながらこうした計画をすすめているそうですが、
  段階的に水質浄化に効果はあらわれてくるものの、今年、来年というような短期間にすぐに
  市民の目に見えるような効果が出てくることは難しい、というのも実情のようです。

   9月8日に開催された調査隊会議では、これらの説明を受けて、参加者した市民には
  行政のインフラ整備のみに頼るだけでは、なかなか短期間で堀川の水質改善を期待することは
  難しいのではないかいう問題意識が生まれました。

    行政は行政で長期的な視点からの施策をしていただく一方、市民は市民で、
   たとえば雨がひどく降ったときなどは、各家庭において節水を呼びかけ、できるだけ
   生活排水の流出をおさえるとか、雨天時にはお風呂や洗濯排水などを流さない、
   というような一種の生活改善運動に結び付けてゆくことを考えないと、堀川への
   生活排水流出は防ぐことができないのではないだろうか、という意見も出されました。

    こうした生活改善運動も実現はそれほど簡単ではないわけですが、堀川1000人調査隊は
   市民が堀川浄化のために自分たちでできることは何なのか?ということを市民に提言できる
   データを集めてゆこうということになりました。

   

5.またこの日は、堀川に浮遊するゴミを除去するための施設(ごみキャッチャー)が
  設置されている、という説明も名古屋市からありましたので、あわせてご紹介します。





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