堀川を清流に |
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第9ステージ (平成23年4月〜6月) 調査結果の概要について 第9回 堀川1000人調査隊会議にて報告された事柄 平成23年9月10日(土) 於:名古屋国際会議場 |
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事務局より 平成23年9月10日(土)、名古屋国際会議場で開催された 第9回堀川1000人調査隊会議で報告された、 第9ステージ(平成23年4月〜6月)の市民調査活動から得られた 結果の概要は次の通りです。 なお、各コメントにおける、「ページ数」は、下記の資料のページを 意味していますのでご参照ください。 ⇒市民調査隊の調査報告書(概要版) 説明文付 はこちら ⇒ 同 (詳細版) はこちら ⇒名古屋市による調査レポートはこちら ⇒名古屋市の堀川再生のための取組みはこちら |
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◎第9ステージで判明した特筆すべき点について 1.導水停止後2年目は、上流部と中流部で結果に違いが! 導水期間中(第1ステージ〜第6ステージ=平成19年4月〜22年3月)、 堀川では、猿投橋〜松重橋あたりまで導水の効果が確認されていた。 導水停止後1年目春〜夏の第7ステージ(平成22年4月〜6月)には、 猿投橋〜松重橋の全区間で、水の汚れの印象、透視度、CODの値などの 悪化が確認され、あらためて木曽川導水の効果が実感されていた。 しかしながら、導水停止後2年目春〜夏の第9ステージ(平成23年4月〜6月)には 中流部の朝日橋〜松重橋では各項目の悪化が確認されたが、 上流部の猿投橋〜城北橋の区間では、明確な悪化が確認できなかった。 ⇒市民調査報告 14ページ この原因として次のことが考えられ、今後さらなる検証が必要と考えられる。 1)第9ステージにおいて、庄内川から堀川に導水されている水(毎秒0.3トン)の 水質が、第7ステージと比較して良かったと考えられる。 ⇒BOD 透視度について 名古屋市レポート 5〜9ページ 2)名古屋市の堀川再生の取組みのための施策が効いてきた可能性がある。 名城水処理センター(下水処理場)のろ過装置の稼動 平成22年5月 堀川右岸滞水池の工事完了による本格稼動 平成22年8月 ⇒名古屋市の堀川再生のための取組み 2.雨の降った翌日の堀川の様子について、 従来は、雨の翌日の堀川は全般的に汚れやにおいがひどくなる、と考えられており 特に検証をしていなかった。 ところが、第9ステージの調査報告をあらためて分析してみると 雨の降った翌日の調査に絞り込んでみたとき、 朝日橋より上流では、雨の降った翌日の方が、雨の降らない日の翌日より 透明感があり、水の汚れの印象もよい、という意外な結果がわかった。 一方で、朝日橋より下流では、雨の降った日の翌日は、雨の降らない日の翌日より 透視度が落ち、においがひどくなっている様子が見て取れた。 市民調査報告 33ページ 42ページ この原因として、次のことが考えられ、今後更なる検証が必要と考えられる。 1)朝日橋より上流では、堀川右岸滞水池の稼動の効果が出ていることが 考えられる。 結果として雨水で汚濁が薄められ、雨が降ってかえってきれいになっているのではないか。 2)雨が降ると、庄内川の水の汚濁負荷が薄められ、堀川上流部には好影響を 与えているのではないか? その庄内川の水質の影響も、朝日橋より下流の中流部では効果がなくなっているのでは ないか? 3.堀川は、中流部に問題が残る! 以上の結果、堀川上流部では、中流部と比較して水質の改善が進んでいると思われるが 朝日橋より南の中流部においては、まだまだ問題が多く、地下水の活用など、効果的な 施策を考えてゆく必要がある。 また市民自身が生活排水に気をつける運動をしてゆくことも効果があると思われる。 ⇒市民啓発チラシの配布・署名活動を展開することに。 中流部では川底からわいてくるあわが多い 市民調査報告 49ページ 中流部ではにおいがひどいと感じるときが多い 市民調査報告 55〜56ページ 4.これと関連して、一般に市民が堀川を見た第一印象で、次のことがわかった。 「きれい」と判断したときは、透視度で評価していることが多い。 「汚い」と判断したときは、「色」をみて判断していることがわかった。 ただし、前日が雨で、その翌日堀川をみて「汚い」と判断したときは、「におい」で 判断するようにかわることが多いことがわかった。 市民調査報告 21ページ 23ページ 5.導水停止後、堀川沿岸の路上のごみが増える傾向がある。 ごみは、たばこの吸殻が非常に目立つようになっている。 市民調査報告 66ページ 70ページ この原因として次のことが考えられ、今後更なる検証が必要と考えられる。 1)導水期間中、堀川は目に見えてきれいになった区間もあるなど、市民の 期待感とともに、意識の高まりがみられたが、川がきれいでなくなると 市民の意識の低下傾向があるのではないか? 2)同様に、川がきれいになるにつれ、市民の期待感が高まるとともに 自発的な清掃活動も活発化したが、導水停止後、期待感がうすまって そうしたモチベーションに低下傾向があるのではないか? 6.市民が堀川をみて、きれいと感じる透視度のボーダーラインは、70cmで あることがわかってきた。 こうしたことを示す文献があるとのことで、今後調べてみたいが、 我々の実施しているような、長期・大規模な市民調査のデータでそれを 立証したのは、ひょっとしたら日本初の業績ではないかと思われる。 市民調査報告 32ページ 7.堀川では、大潮(満月・新月)のときと、雨が多量に降ったときが重なると コノシロなどの魚の大量死がみられる可能性があることがわかった。 |
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8.堀川を愛する人の輪は確実に広がっており、平成23年8月末現在で 堀川応援隊を含めたネットワークは、2,265隊、16,862人に拡大した。 今後も地道に堀川を愛する人の輪を広げてゆくことが大切と認識した。 9.4年と3ヶ月の長期にわたる市民活動で、定点観測隊の調査レポート (インターネット報告分)は、のべ2,282件に達した。 こうした大規模、かつ長期にわたる市民調査活動は、おそらく全国的にみても あまり例がないのではないかと思われる。 我々自身、それを誇りに感じながら、これまで同様、地道な調査活動を 続け、半年後に木曽川導水社会実験が終了して後もも、今後実施されてゆく はずの、行政(名古屋市など)の様々な浄化施策・社会実験の効果を 検証してゆくことが大切ではないか。 また、その結果をもとに、我々市民からも、浄化のための現実的な市民提案を 次々に行政に投げかけ、市民と行政のキャッチボールを続けてゆくことが 大切ではないか、と思われる。。 以上の調査結果から、堀川1000人調査隊は、今後次のような活動を展開してゆくことを 事務局が提案、満場一致で決定しました。 これにより、堀川1000人調査隊は 市民と行政が一体となって、堀川の再生を目指し 新たなスタートを切ることになりました。 1)調査活動を通じて判明したデータ、分析結果に基づき、これからも 行政に対し、社会実験・浄化施策の提案を続けてゆく。 2)私たちが切望する木曽川導水の実現には、流域の人たちの理解が不可欠。 そのためにも、木曽川だけでなく、長良川・揖斐川など幅広い流域の人々との 市民交流を積極的に深め、堀川について理解を深めていただくとともに、 私たち自身も、それぞれの流域の事情等を勉強する姿勢が大切。 相互に理解を深め・相互に応援できる市民レベルのネットワークをの構築に つとめてゆく。 3)自分たちがすぐにでもできる、生活排水に気をつける啓発運動を 展開する。 (市民団体 クリーン堀川と連携して実施) 以上の活動を柱に、第10ステージ以降も、堀川の浄化・再生に向けて、 皆で力をあわせてがんばろうと、記念撮影をして閉会しました。 |
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なお、市民調査隊員から名古屋市に対して、中川運河から松重ポンプ所を使って 堀川に導水されている、中川運河の水の水質や水量について、質問があり 後日、名古屋市から資料をいただきましたので、ご紹介します。 |
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名古屋市から発表された 堀川浄化のための名古屋市の取組み |
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