堀川を清流に
  堀川1000人調査隊2010

         活動の記録


  平成21年2月28日(土)、堀川1000人調査隊の
   第4回調査隊会議が開催されました。

       
日時   平成21年2月28日(土)  13:30〜16:00
         場所   名古屋都市センター11階研修室



 平成21年2月28日(土)、中区金山の名古屋都市センターにおいて
第4回調査隊会議が開催されました。

 この会議は、第4ステージ(平成21年9月〜12月)の市民調査隊による
調査結果をまとめ、木曽川導水の効果を市民の視線で検証することと
市民として木曽川導水の継続・堀川の浄化・再生のため、どんなことを
してゆくべきかを話し合うために開催されたものです。

 この日は、市民調査隊、行政関係者をあわせて約100名が集まり
活発な議論が行われました。


行政調査の弱点を市民調査隊が補完

 会議ではまず、名古屋市の行政調査の結果が発表されました。

 第4ステージは、鍋屋上野浄水場などの導水施設のメンテナンスで
10月、12月に導水が停止していた期間があり、月1回の行政調査による
平均値では、COD、DO(溶存酸素)、透視度などで、第2ステージより
数値が悪くなっているという報告がありました。

 しかしながら、導水が行われていた9月、11月のデータでは、
昨年より改善している、とのコメントがありました。

 また行政調査の報告では、尾頭橋より下流では水質のはっきりした改善が
見られない、という報告がありました。


 これに対し、市民調査隊からは、尾頭橋付近でははっきりした透視度などの
改善が見られる、という複数の報告がありました。


 月1回の行政調査に比べ、たくさんの人が、何回も観察する堀川1000人調査隊の
市民調査のサンプル数の多さが、行政による調査を補完したことになります。

 官民協働で堀川再生の社会実験を、より正確に検証することができる、とい
堀川1000人調査隊のメリットが発揮されたことを強く感じました。



市民調査隊のデータからのまとめ

 また市民調査隊のまとめとしては、次のような点が挙げられました。

 1.第4ステージは、第1、2、3、4よりも、水の汚れ(印象とCOD)、透明感、
   におい、あわといった指標で、改善しており、日を追うにつれて木曽川導水の
   効果があらわれていると思われる。

 
 2.夏場(春から夏)よりも、「秋から初冬」のほうが水質がよいことがわかった。

 3.2年目は1年目より、夏場、冬場ともに水質が改善した。

 4.堀川の色の現状とその印象が少しずつわかってきた。
   「淡灰黄緑」、「灰黄緑」、「灰緑」の色が出現したときは、不快感を感じる人が
   多いこともわかってきた。

 5.人工ゴミ(プラスチック系・缶系・ビン系)の浮遊ゴミの数が減った。
   堀川をきれいにしたいという人が増えて、川の周辺の清掃活動などが
   行われたことや体験学習による意識の向上などが効果を挙げていると
   考えられる。

 6.今年もまたボラが大量に遡上した。

     ⇒2009年 堀川のボラ観察記録はこちら

   新聞・テレビでも取り上げられ、堀川の水質改善が話題になって
   堀川に、魚や鳥を見に来る人が増えた。

 7.水草が繁茂している区間が増えた。
   
   また、水草があるところには、トンボ・魚・鳥・カメなど、色々な生き物がいて
   食物連鎖でつながる生態系がつくりだされている。


 堀川の自浄能力の回復などにより、相乗的に水環境が改善!

   堀川再生の社会実験(木曽川からの導水)がはじまり、おおむね2年が経過しました。
 
   水の汚れ(印象・COD)、透明感、臭い、あわは、1年目よりも改善したことがわかりました。
   また、水草が繁茂する区間が増えたこと、今年もボラが大量に遡上したことなど、生き物たちを
   取り巻く生息、生育環境や生き物の行動に変化が見られました。

   
   この2年目の水環境の改善は、木曽川からの導水による直接的なものだけでなく、
   浄化施策の実施に加え、自浄能力の回復、流域全体の浄化意識の向上などの
   相乗的な効果によるものと考えられます。


   3年目以降の更なる水環境の改善に期待がもたれます。

   


 心が心を突き動かす、 心意気のネットワーク

  また、この日は調査隊ビデオ班が作成した2本のビデオが上映されました。

  「大雨は堀川を汚す?(降雨時の堀川の記録と名古屋市の合流式下水道の改善施策の紹介)」
  「水が通い、心が通う (上下流交流、流域全体での取り組みについて紹介)」

  ビデオ班の坂さんからは、雨が降ったときに10回現場に駆けつけたが、この映像が
 撮れたのは1回だけで、わずか5分のビデオを編集するために、非常に多くの苦労を重ねた
 体験談が紹介されました。
  こうした苦労はすべてボランティアで、坂さんの心意気で生まれた作品であるわけですが
 この日会場に集まった人たちも、ほとんど心意気で動いている人たちばかりであり、ビデオ班の
 皆さんに大きな拍手が沸き起こりました。

  一方でこうした心意気に刺激を受け、気持ちを新たにした人もたくさんいたように思われました。
 
 心が心を突き動かす、という堀川1000人調査隊というネットワークの特徴的なものを見た気がしました。

 

 第5ステージは4月1日から6月30日
   20,000人を目標に堀川応援隊を増やそう!

  なお、第5ステージは、4月1日から6月30日として実施し、この間のデータを過去2年の
 データと比較することを申し合わせました。

  また4月前の3月の調査報告も歓迎すること、みんなで写真のデータも集めてゆくため
 積極的に写真を撮影しようということを申し合わせました。


  また、木曽川導水の継続をお願いしてゆくためには、名古屋市民がまず
 堀川再生を強く望み、具体的な行動を展開してゆくことが必要であること、
 そのために今、私たちにすぐにできることは、幅広い市民に呼びかけて
 堀川を愛する人の輪を広げてゆくことだ、ということで認識をあらたにしました。

  そして現在10,000人を超えた堀川1000人調査隊の人数を、
 堀川応援隊を増やすことで来年3月に向けて20,000人に増やしてゆこうと
 申し合わせました。


    ⇒市民による調査の報告書はこちら 

    ⇒名古屋市による行政調査報告書はこちら 


 なお、下記の名古屋市のホームページに、「堀川浄化の社会実験」
として、木曽川導水について詳しく解説されていますのでぜひご覧ください。

   http://www.city.nagoya.jp/kurashi/seikatsu/dourokawa/horikawa/jikken/


第4回調査隊会議の全景。
 市民調査隊と行政関係者の合計約100名が会議に参加しました。


2年前につくって猿投橋にかけてあった横断幕が
強い風で破れてしまったので、この日は新しい幕に
出席者がみんなで寄せ書きしました。

 この横断幕は猿投橋と北親水親水広場に掲げて
市民へのPRに役立てる予定です。

     ↓
   下の写真をご覧ください。
この横断幕の作成に当たっては、北区役所まちづくり
推進室調査隊の皆さんにお世話をしていただきました。

 文字は、世界的な書家で、「鐵牛(てつぎゅう)応援隊」として
参加している早川鐵牛さんの筆によるものです。
 
 布地は黒川ドリーム会調査隊にご提供いただき、また、
風が吹いても破れないよう、布の周囲は、「クロス技研応援隊」の
加藤さんに補強をしていただきました。

 ロープは神楽坂応援隊が探して買ってきてくれたものです。

 こうして多くの方の心意気と熱意で出来上がった横断幕は、
きっと多くの人にアピール効果を示してくれると思います。


                             3月2日(月) 猿投橋に取り付けられた新しい横断幕

                          3月2日(月) 北清水親水広場対岸に取り付けられた新しい横断幕

会議の冒頭であいさつされる梅本隆弘実行委員会会長。

城北橋で土嚢をつんで上流部の水位が下がり過ぎないように
実験しているが、生き物たちのためにぜひこれからも実施して
ほしい、ということを述べられました。
チーム堀川LC1調査隊。

「行政の調査では尾頭橋では導水の効果が出ていないという
報告だが、私が観察している尾頭橋では水底に落ちている
看板が見えるようになってきている。

かなりきれいになっています」 と報告。

この日、一市民として参加した名古屋市の山田雅雄
副市長。

現在進めている合流式下水道改善のための、堀川
右岸滞水池が2010年3月には竣工、稼動開始
出来る見込であること、
名城水処理センターの高度処理について、2010年
10月頃には稼動開始を目指して進んでいることなどを
ご紹介いただきました。

自ら毎日堀川を散歩し観察を続けており、植物も
含めた生物の多様性が堀川ではいかにあるべきかを
いつも考えているので、皆さんにも意見をきかせて
ほしいと述べられました。



市民調査の結果に対し、研究者としての感想を述べられた
中部大学の武田先生。

「行政のデータは見ることができるのですか?

  市    「現在は申込みがあれば見られます」

  事務局 「せっかくの行政データや市民のデータが大学の
       研究者の方に、役立てていただけるような情報の
       ネットワークの仕組みをつくっていただけませんか?」

  市   「検討して方法を考えて見ます。また事務局にご相談
       させていただいます」

  こんなやりとりもありました。

4月から堀川ギャラリーで絵画を展示する、
「堀川をアートで」応援隊。

「美術を愛する人にも堀川を愛する人の輪を広げて
 ゆきたいと思っています」 

2009年 堀川のボラ観察記録の「主役」、
御用水跡街園愛護会調査隊。

カワウが、水深が浅いとダイビングできないことなど
自らの観察で得られた情報を披露しました。

また黄色い上着には、タレントの「矢野きよ実」さんに
堀川応援隊に登録していただいたときにいただいたサインが。

このホームページではアップでご紹介できませんが
会場の皆さんにはしっかり見せてくださり、「私の宝物です」
と語られました。


「住吉橋付近でヘドロの浄化実験を実施しているが
このあたりでもかなりきれいになってきていると思う。

だが、やはりヘドロの対策が必要だと思う」

   堀川再生委員会調査隊
「木曽川の導水もいいが、導水に頼るばかりではなく
生活排水に気をつけて、下水への負荷を下げる努力を
市民がしてゆくことが必要だと思う」 

  ゆりの会調査隊。

「上流部のボラが注目されていますが、錦橋でも
カワウがボラを狙って飛んでくる様子が観察されます。

ボラは下のほうをおよいでいるようです」と報告した
中日本建設コンサルタントかわせみ調査隊。

「木曽川の流域の人は、それぞれにいろいろな考え方をもって
います。
上下流交流などを進めて、そういういろいろな考え方を理解
してゆくことが、これからは大切だと思います」と述べられた
堀川再生フォーラム応援隊。

写真の笑顔でもわかるように、この日の会議は4回目という
こともあって、お互いに打ち解け、なごやかな雰囲気が
あふれていました。
 この日の会場の都市センター11階では、名古屋港から考える明日のなごや展が
開催されています。

 3月15日まで。

 堀川1000人調査隊の活動や、中川運河再生のことも紹介されています。
 ご興味があれば、ぜひご来場ください。




   おともだちを誘って、みんなでたいっぱい調査隊、応援隊を作りましょう。

     ⇒募集要項はこちら

     ⇒申し込みフォームはこちら

     ⇒社会実験に関する新聞報道はこちら




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