堀川を清流に
  堀川1000人調査隊2010

         活動の記録


   2007年11月4日(日)
    ドクターホーワ調査隊+調査隊事務局が観察した
    庄内川導水停止時の、干潮の堀川の様子をご紹介します。

    
       
日時    平成19年11月4日(日)  06:30〜11:00
        場所     名古屋市堀川上中流域

       ⇒満潮時調査はこちら


ドクターホーワ調査隊+調査隊事務局のレポートをご紹介します。

調査日 2007.11.4

天候  前日 晴れ   当日 晴れ

 庄内川導水 なし
 木曽川導水 あり
 名古屋港の干潮 午前8時54分


上流部から山王橋まで、透視度100cm
 木曽川導水の効果の大きさを確認。


 この日は、庄内川で、矢田川と庄内川をきれいにする会がつり大会を
 していて、庄内川から堀川への導水が止まるという情報を聞きつけ、
 木曽川導水の影響がもっとも大きく現れるであろう干潮時間帯に、
 透視度に的をしぼり、縦断調査を実施しました。

   あとで確認したところ、釣り大会のための停止というのは
  私の誤解で、アユの遡上・産卵保護を目的とする計画的な
  導水停止だったとのことです。
   釣り大会は、こうした自然・生物の保護を啓発する目的で
  毎年この時期に合わせて実施されているものだそうです。
   川をきれいにする会の皆さんに敬意を表します。


 名古屋港の干潮 午前8時54分。

 調査時にはほとんど水の流れはなく、明け方までにたっぷりと木曽川の
 水の供給を受けた堀川は、上流から山王橋まで100cm以上の透視度を
 保っていました。
←庄内川からの導水が
 ないため、いつも白い泡が
 いっぱいたっている猿投橋に
 全く泡がたっていなかった。


←向こう側 大幸川幹線から流入する
       木曽川導水。


←手前 上流部からの水はほとんど
     なく、底が露出している


堀川がきれいになる期待感でわくわく。


 松重閘門下流の山王橋まで透視度100cmを確保しているのを確認
 しましたが、尾頭橋、住吉橋では、干潮で水位が低く、バケツにとりつけた
 ロープが水面まで届かず、調査を断念。

 しかし、庄内川の水がきれいになって、木曽川導水が継続され、
 なおかつ名城下水処理場の高度処理が実現したら、どんなに
 堀川がきれいになるのかと期待感でわくわくする調査結果になりました。


 以下、データです。
時刻 調査場所 透視度(cm) COD(mg/L)
6:45 猿投橋 100 6
6:50 黒川橋 100      
7:00 北清水橋 100 7
7:10 金城橋 96   
7:15 城北橋 100 8
7:25 中土戸橋 100   
7:35 朝日橋 100   
7:55 小塩橋 100   
8:05 桜橋 100   
8:15 錦橋 100   
8:20 納屋橋 90   
8:30 新洲崎橋 87   
8:40 日置橋 100   10
8:45 松重橋 99   
8:50 山王橋 100   


錦橋もらくらく100cmをクリア。

納屋橋は少し落ちて90cmでした。

日置橋も100cmをクリア。

松重橋は色はきたなかったけれども、ぎりぎり
99cm。
 松重下流の山王橋でも100cmを確認しました。


名古屋城のお堀の水も調査

 名古屋城のお堀の水も干潮時には筋違橋の下流左岸で堀川に
 流入していると聞きました。

 お堀の水もひょっとしたら堀川の水質にある程度影響があるのかな?
という発想から、ついでにお堀の水も調べてみました。

  透視度はなんと・・・ 32cm 
  
    想像を上回る透視度の悪さにびっくり。

  COD  6でした。 

  お堀には、さかなにえさをやらないで!と書いてありますが
 確かに富栄養化が進んでいるようです。

  この日の堀川は、筋違橋の上流側も下流側も透視度は100cmを
 確保していましたし、この日のお堀から堀川の流入水量もチョロチョロ
 状態でたいしたことがなかったので、あまり影響はなかったようです。

 お堀も堀川も一緒にきれいにしたいものですね。


筋違橋すぐ下流の左岸側から、お堀の水が
堀川に流れ込みます。

名古屋城のお堀。
お堀の水がここから堀川へ。


←コイが大きいので透き通っているように
 見えますが、透視度はわずか32cmでした。

 CODは6。


庄内川の頭首工(とうしゅこう)もみてきました。

  この日は、庄内川から堀川への導水が止まっているとききましたので
水分橋も見てきました。
←ふだんはゲートが下がって閉じている
 庄内川頭首工(とうしゅこう)が、この日は
 ゲートが上がって開いていました。

←ふだんは上流(右側)から流れてくる
 庄内川の水が手前の頭首口でせきとめ
 られて向こう側の堰から下流へ。

 頭首工にたまった水が手前の堀川
 への取水口に誘導され、堀川に水が
 取り入れられる仕組みになっています。

 しかし、この日はゲートがあいているため
 水はそのまま水分橋の下をくぐって
 下流へ流れていました。

 手前は完全に干上がって、ふだんは
 水面になっている取水口入り口が完全に
 陸になっていました。
←水分橋の上から見た、頭首工の
 ゲートと、干上がった堀川への
 取水口

頭首口のゲートが開いている様子を
上流側左岸からみたところ。

堀川への取水口を下流側から上流をみたところ。
完全に干上がっています。

少し上流から見たところ。
庄内川の水が大きく左側の頭首口の
ほうに迂回して下流に流れていきます。
 右側の堰のほうは干上がっていました。

水分橋から上流を見たところ。
左側から八田川が合流。
いつもはまっすぐ手前に流れる庄内川が
右側(左岸側)に大きく迂回しています。
頭首口の下を流れる水は透明度も高く
とてもきれいでした。

水分橋から頭首工と左岸側をみたところ。
この日は、「矢田川・庄内川をきれいにする会」
のつり大会。
水分橋のすぐ下流では、皆さんが、年に一度の
つり大会を楽しんでいました。

 ふだんは頭首工でせきとめられている庄内
川ですが、毎年アユの産卵・遡上を保護するため
11月〜3月には計画的に頭首工のゲートをあけたり
閉めたりするのだそうです。


 「きれいにする会」の皆さんは、毎年このアユの産卵期に
あわせてつり大会を開催し、自然や生物の保護を
PRする啓発活動を実施していると聞きました。


 こうしたゲートの施設が設置されていることによって
堀川にも庄内川の水がはいってきます。

 庄内川の水がないと水が枯れてしまう堀川ですが
川をきれいに保つために多くの方々が努力されている姿を
みて、あらためてきれいな水のありがたさ感じました。

庄内川の導水がなないと、上流部ではちょっと問題も。

 庄内川からの導水が止まっている状態で、堀川に木曽川導水のみが
注ぎ込んでいる干潮時には、堀川の中下流部ではたいへん透視度があがって
いることを確認しました。

 でも、堀川上流部ではこんな問題もありました。

向こう側の庄内川から元入樋門をくぐって
本来は庄内川の水が流れてくるのですが
この日は水が流れず、水位も低いようす。

元入樋門から下流側を眺めたところ。
左岸の大きな木の下からは、水が干上がらないよう
井戸水が注ぎ込まれています。

通称、「瀬古の井戸」から放水される地下水で
かろうじて堀川最上流部は干上がることを
避けることができます。

堀川最上流部の橋、「栄橋」の下流付近。
水位も低く流れがほとんどないため、水草が
勢いなくしおれていて、なんとなくものさびしい感じが
しました。

水はきれいなのですが、やはり川に元気がない。

2番目の橋、旭橋から上流を見たところ。
井戸水だけが水源ですから、水は本当にきれいです。
でもやっぱり流れがない川はさみしいものでした。
 矢田川を潜り抜けて黒川樋門でふたたび姿をあらわした堀川
     (夫婦橋から撮影)

     ひと昔前、庄内川から水が入ってこなかったときは、堀川上流部は
    水がかれてしまい、御用水はゴミ捨て場のようになっていたそうです。
 
     平成10年頃、地下鉄工事からのわき水がはいって御用水は
     よみがえり、その後市民の大きな要望を受け、庄内川からの水を
     いただくようになって現在にいたっています。

     川に水がはいり、生き返ることによって地域の人が川を大切に
     しようという気持ちが高まり、上流部はゴミを拾う人が多く
     なったそうです。

     川が生き返るということは、みんなの心があたたかくなるためにも
     とても大切なことだと思われます。





   おともだちを誘って、みんなでたいっぱい調査隊、応援隊を作りましょう。

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