堀川を清流に
  堀川1000人調査隊2010

         活動の記録


  2008年7月7日(土)、名古屋工業大学において
   堀川再生フォーラムが開催されました。
   調査隊ビデオ班の坂さんが撮影した堀川のヘドロの水中写真が
   初公開され、また大同工業大学の大東先生による堀川のヘドロの研究の
   発表がありました。

   


 2008年7月7日(土)、名古屋工業大学において、堀川再生フォーラムが開催されました。

 当日は、日常堀川1000人調査隊でも活躍している市民のほか、大学・企業・NPO関係者など
約40名が参加しました。

 この日は、堀川1000人調査隊ビデオ班の、坂 好治さんが、今年5月の連休を利用して撮影した
堀川の水中写真が初公開されたほか、大同工業大学の大東憲二先生から堀川のヘドロの堆積状況に
関する研究成果の発表がありました。

 坂さんの撮影したビデオは、
  1)堀川上流部(淡水域)の新堀橋、辻栄橋、および地下水流入部付近、
  2)木曽川導水の流入する猿投橋、北清水親水広場、城北橋下流など比較的上流部(感潮域)、
  3)錦橋、松重閘門など中流部、
  4)白鳥、宮の渡しなど、中下流部、
  5)そして木曽川の取水口(犬山)付近と
合計11箇所の水中、水底の様子を5時間あまり撮影したものを、30分にまとめた大作。

 参加者のほとんどが、初めてみる堀川の水底の映像に息をのみ、食い入るように見つめました。


 そして、あれは何だろう、これは何だろう、と口々に疑問が飛び交い、堀川研究の歴史の大きな
一歩に立ち会った感動を共有しました。



 また大東先生の研究から、松重閘門付近には1.7mものヘドロの層が堆積しており、比較的
やわらかい層とある程度の固さをもつ2層に別れていることなども発表されました。


 これらのビデオや発表を聞いた市民からは、次のような声があがりました。

 「こんなにたくさんの研究者の皆さんが集まっていても、ビデオをみても、あれもわからない、
これもわからない、という状態であることに正直びっくりした。」


 「堀川のヘドロの実態をもっとよく研究して、それからヘドロをとるなどの対策をしないと、せっかく
 ヘドロを浚渫しても十分な効果があがらないのではないか?」


 「土木工事の専門家からみると、大学の先生がたや学生さんたちが限られた予算の中で、
  極めて稚拙な方法でヘドロを採取している状況は気の毒でもあり、また、研究の成果に
  期待するのは無理。
    もっと行政がしっかり予算を付けてきちっと調査をするべきだ」



 なお、当日のビデオ報告などから次のようなことがわかりましたのでご紹介します。


 1)堀川上流部の淡水域では、ほとんどヘドロは堆積していない。

 2)猿投橋の大幸川流入部には、ひらひらした木屑のような形をしたヘドロ?がいっぱい写っており
   これが何かはよくわからなかった。

 3)北清水親水広場付近では、水草が目立ち、その間にピンクとも赤ともいえるようなものがいっぱい
   写っていた。「イトミミズだと思う」という声が上がっていた。

 4)城北橋下流のカーブにさしかかる左岸で干潮時に干潟ができるあたりでは、こまかいほこりのような
   ヘドロがふわふわと浮いており、竹竿を突っ込むと、水中に大きな泡になってメタンガスのような
   ものがいっぱいわきあがってくる。

   菌類?と思われるような繊維状にみえるものに、ほこりのようなヘドロがまつわりついたような
   ものもたくさん見られた。

 5)錦橋、松重閘門付近では、こまかいほこりのようなヘドロが浮遊し、ふわふわと移動している様子が
   写っていた。
   錦橋では、竹竿を差し込むと、最初は灰色のほこりのようなヘドロ、そしてその下からは真っ黒なヘドロが
   出てきて、ヘドロが2層になっている様子が写っていた。

   真っ黒なヘドロが竹竿を引き抜くときに出てくると、一緒にメタンガスのような泡が出てきた。

   錦橋を中心に調査活動を続ける調査隊からは、
   「大潮の干潮時などに、堀川が灰色になったり、真っ黒になったりするが、その現象がこの2層の
    ヘドロが原因と考えるとよく理解できる」という声があがった。

 6)白鳥付近になると誇り状のヘドロはほとんどなくなり、ある程度固そうな黒いヘドロが目立つようになった。

 7)宮の渡し付近では、白い貝のように見えるものが目立った。

   宮の渡し付近を定期的に清掃しているグループからは、この白いものが浮いているのをよく見かけるとの
   声が上がって、どぶのようなとてもくさい臭いがする、という指摘もあった。

   研究者からは、これは合流式下水道に特有の「オイルボール」だと思う、という指摘があった。
   東京のお台場付近にもこういうオイルボールがあがったという。

   合流式下水道では、家庭排水などが、大雨で川にオーバーフローするときに、管きょの内側に
  油分がへばりつき、次の大雨でそれらが削られて川に流れ出しオイルボールになって浮くことが
  あるのだという。
   そのオイルボールが水底に付着して白っぽくうつり、貝のように見えたものと思われる。

 8) 現在実施されているヘドロの浚渫工事についても、ふわふわと浮いている灰色のほこりのような
  ヘドロについては、全く除去効果がないと思われ、浚渫のあり方についても、もっとよく研究してから
  効果的な方法を考えないといけない、という発言が多数あがった。



 以上のように、今回初めて公開された映像をもとに様々な指摘や議論が活発に行われ、かつてない
活気のあるフォーラムとなった。

 同時に、今回のビデオ撮影や、大学による研究発表は、その研究そのものがまだテスト的に行われて
いるものであり、ゴムボートやカメラのの固定方法ひとつとっても、非常に原始的、かつ稚拙な方法を
とらざるをえなかった。

 今後は、こういう先端的な研究をもとに、きちっとした研究計画を組み立てて、行政もいっしょになって
予算をしっかり立て、効果的な研究をおこなわないと、ヘドロの原因や実態の解明、ひいては効率的・
効果的なヘドロの除去対策に進んでゆくことは難しい、との結びとなった。




約40名の参加者が食い入るように発表を
聞いていました。

大東先生の、ヘドロの研究に関する発表。


ビデオカメラを投入した11箇所。

参加者との活発な質疑応答場面。


次々に手をあげて、フリートーキング状態の
フォーラムとなりました。






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