春はそこまでと思いながら、まだまだ寒い日が続きますが
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
先日2月15日(日)には、第16回目の堀川1000人調査隊
調査隊会議を開催いたしました。
官民あわせて約80名の方にご出席いただき、活発な質疑応答も
あって、非常に盛り上がり、有意義な会になりました。
出席いただいた皆様には心より感謝申し上げます。
また会議には出られなくとも、普段地道な調査活動を続けていただいて
いる皆様、堀川を応援していただいている皆様にも心より御礼申し上げます。
この会議は、行政が堀川浄化のための施策・実験を行い、
市民がその効果を検証し、評価し、それを次の施策・実験に活かして、
みんなが力を合わせて、着実に堀川をきれいにして行こうという趣旨で、
半年に1回のペースで開催を続けてきました。
堀川浄化のため、市民と行政がキャッチボールを繰り返しながら
P(計画)⇒D(実施)⇒C(チェック)⇒A(アクション)をきちっと回し、
そのサイクルに改善・工夫を積み重ね、着実に成果を積み上げて
ゆこうという、堀川1000人調査隊の活動にとって、欠かすことの
できない重要な会議になっています。
今回の調査隊会議でも、過去の成果、実績を振り返りながら、8年間
かけて見えてきたこと、そしてこれから先に期待がもてることなどが、
あらためて浮き彫りになりました。
本日は、その成果についてご報告することを中心に、堀川に関する
最新情報をお届けしたいと思います。
1.ヘドロに砂や浄化剤をかぶせる実験に期待が集まる!
五条橋〜中橋間 延長距離約300mの両側護岸際から幅約3mは、
干潮時にヘドロが露出して景観も悪く、悪臭も漂って、大きな課題と
なっていました。
その問題を改善させるための実験として、今年度名古屋市は、
他都市などでの実績を踏まえ、そのヘドロの上に砂や浄化剤などを
かぶせる実験を行うこととし、先ごろその工事が完了しました。
この日の会議でも、名古屋市からこの実験の内容についての
説明があり、その効果に対する期待をこめて、たくさんの方が
質問や意見を発現され、非常に盛り上がりました。
また、名古屋市からは、実験の効果を市民目線で検証するため
調査隊の皆さんに、「におい」、「見た目」、「生き物の生息状況」など
について調査に参加してほしいとの依頼がありました。
これに対して、調査隊事務局では、下記に、「浄化実験の観察記録」の
ページを設けました。
早くも、干潮になった砂地に鳥が集まってくる様子や、浅瀬の砂地が
すきとおって見える様子が観察され、記録してあります。
皆さんから、写真やレポートを送っていただいたものは、
このコーナーに記録をアップし、情報をみんなで共有していきたいと
思っています。
写真、レポートをお待ちしています。
堀川応援隊の方からの写真も大歓迎です。
ただし、写真をいただくときには、撮影日、時間、場所などをメールに
ご記入ください。どうぞよろしくお願いします。
なお、名古屋市からの報告は、下記のHPでご覧いただけます。
2.堀川は、徐々に、でも着実にきれいになっています!
続いてこの日の会議では、事務局から、市民調査隊が調べた
データを整理し、堀川が、着実にきれいになっていることを
ご報告させていただきました。
一年ごとで見ると、その時々の気象条件(暑さ、降雨量など)によって
大きくぶれる時もあります。
しかし、8年間もの長期にわたって、地道な調査を継続しそのデータを
統計処理してみると、「水の汚れの印象」、「透視度」、「COD」、「あわ」、
「におい」など、すべての指標において、堀川の水環境が改善の傾向に
あることが読み取れます。
この要因としては、木曽川導水社会実験の停止(平成22年3月)後、
いったん堀川の水環境は悪化したものの、その後、名古屋市が実施
してきた、下水道の高度処理、浅層地下水の流入、上流部の瀬渕の形成
による自浄能力の回復などによる効果が、徐々にでてきているのでは
ないか。
今の段階では、事務局ではそのように考えています。
今後さらに調査を継続することにより、より鮮明にそうした効果を評価
することができるようになれば、限られた予算の中で、より効果的な施策・
実験を広げてゆくことも可能になるかと、期待が膨らむところです。
また、市民による空心菜の実験現場や、今回のヘドロに覆砂する
実験場ではたくさんの生き物が集まってきています。
かつて昭和40年ころは、汚染がピークに達し、「死せる川」とまで言われた
堀川が、今や、水辺の条件さえ整えてあげれば、生き物がいっぱい
集まってくる水環境にまで回復をしていることがはっきりしてきました。
市民調査隊のレポートにつきましては、非常にボリュームのある報告に
なっていますが、下記に、ポイントを解説させていただいておりますので、
ぜひご覧ください。
3.春の大潮・一斉調査のご案内 4月20日(月)
堀川では、これまで日食や月食など、潮位差の大きな特別の大潮
の日に的を絞って、皆さんで一斉調査を実施してきました。
その結果、潮の流れが特に早い日は、堀川が酸欠に傾いて
青潮の状態になったり、魚が苦しそうにしていたり、ヘドロが巻き上げ
られたり、水面のごみが集積する場所が見られたりと、特異な現象が
あることがわかってきました。
ただ同時に、これまでは、そういう日食、月食を狙って調査してきたため、
季節が一定せず、データの比較・検討がしにくい、などの欠点もわかって
きました。
そこで試みに今年から、日食・月食にこだわらず、春の大潮で
特に潮位差の大きな日、つまり、潮の流れの特別に速い日に的を絞って、
みんなでデータを集め、毎年同じ条件でデータを積み重ねていってはどうか、
という提案があり、4月20日に実施しようとすることになりました。
下記にその要領がご紹介してあります。
もちろんこれまでと同様、都合のつく調査隊のかたが、それぞれご都合の
よい時間帯、場所で、思い思いに調査をしていただければ結構です。
たくさんのデータが集まれば、それだけ堀川の実態解明が進み、堀川の
浄化策の手がかりになります。
ぜひたくさんの方にご賛同、ご参加いただけるよう、お願い申し上げます。
4.「堀川エコクラブ」の活動のご紹介
名古屋市高年大学22期に卒業された方々が中心になって、
主に北清水橋など、堀川上流部にEM団子を投入されたりする活動を
続けておられます。
その様子を、調査隊のビデオ班が取材し、下記のようにビデオに
まとめてご紹介していただきました。
ぜひご覧いただければと思います。
EMの材料費など活動に必要なお金は自分たちで出し合ったり、
助成金も利用したりして、これまでにかなりの費用も労力もかけて、
活動を続けてこられたそうです。
また団子づくりなどの活動に必要な場所は、調査隊実行委員会の
梅本会長のご好意でご提供いただいたりして、みんなの善意で
活動を続けてこられました。
そのかいあってか、最近では、北清水橋付近で干潮時に露出していた
真っ黒なヘドロが、かさぶたがはがれたように砂地になってきていることも
確認し、EMの効果が現れてきているのではないかと期待も膨らんでいる
そうです。
もちろんこの付近は、名古屋市の浄化施策の効いている可能性の高い
場所でもありますので、いろいろな要因が複合的に効いている可能性が
あり、その評価をするについては、まだ時間がかかると思いますが、
みんなの善意と熱意が堀川をきれいにしてゆく素晴らしい事例として、
ぜひご紹介をしたいと思った次第です。
なお、調査隊ビデオ班がこれまで作成してきたビデオ集は、下記の
ページからご覧いただけます。
5.堀川ギャラリーで、1年間の活動の成果を発表。
2月17日〜3月8日
名古屋市高年大学環境学科28期調査隊が、2年生としての
在学中に一年間かけてみんなで積み上げた調査結果や、先輩たちの
過去10年間の記録を整理し、堀川ギャラリーで展示・発表をされています。
ご都合の許す方は、ぜひおでかけ、激励してあげていただければと思います。
6.中土戸橋、生き物観察日記が始まりました。
中土戸橋付近で先日タヌキと遭遇したことをきっかけに、
佐藤ファミリー応援隊の佐藤さんご夫妻が、中土戸橋での
生き物観察日記を送ってくださるようになりましたので、
そのコーナーを新たに設けました。
川魚などの生き物が定着すれば、必ず生きた川に発展すると
考えたのが中土戸橋に通うことになった思いとのことです。
ぜひご覧いただければと思います。
7.上流部の夫婦橋架け替え工事もあと少し。
志賀橋上流の地下水の放流も3月末までには始まります。
そんな様子を、御用水跡街園愛護会調査隊がご紹介しています。
こちらもあわせてご覧ください。
8.王滝村のスキー場、「おんたけ2240」が2月26日に営業を開始!
堀川応援隊にも参加していただいている、木曽広域連合さんから
ご案内をいただきました。
御嶽山の噴火以来、特に観光面での落ち込みで苦しんでおられる
木曽の皆さんを応援したいという気持ちから、ご紹介をさせていただきます。
先日も、名古屋駅などに出向いて、必死でPRされている様子が
報道されていましたが、PRにご協力、応援いただければありがたいと
思います。